多くの国の官邸には法令で定められた正式名称の他に、より親しみやすい雅名や愛称などの通称がある場合が多い。そうした国では通称の方が広く一般に使用されている場合が多く、そもそも正式名称は不明という国まである。また通称が正式名称に昇格した例も少なくない
[アメリカ大統領府の正式名称は当初「行政府官邸 (Executive Mansion)」というものだったが、その塗装から「ホワイトハウス」という通称が早くからあった。そこで1906年の増築を機会にこの通称を正式名称にして「ワシントン ホワイトハウス」(White House ? Washington) と改称している。]。逆に特にこれといった通称もなく、「総理官邸」などの正式名が一般に使用されているのはむしろ少数派となっている
[ドイツの「連邦首相府」、台湾の「総統府」など。][日本でもかつては政庁のことを「花の御所」や「聚楽第」などといった雅称で呼んでいたが、明治以降こうした伝統は公の場では途絶えてしまった。]。しかし、
小泉政権の頃から従来の “Prime Minister’s Office” という直訳語に替えて、「官邸」という固有名詞をそのまま横文字にした “Kantei” を積極的に日本国外に向けて発信し始めるようになった。現在この “Kantei”はホワイトハウスの公式サイトでも頻繁に使われるまでに汎用される語となりつつある。