タガログ語 wikipedia|無料辞書
フィリピン語(
Filipino)は憲法に定められた国語としての名称であり、実質的にタガログ語とほぼ同じと考えてよい。タガログ語がfとpの区別を持たないため、この言語は「ピリピノ」語(
Pilipino)と名づけられたが、1972年憲法で「フィリピノ」語(
Filipino)に改称された。
◆音韻・文字
かつては
インド起源の
音節文字(
アリバタ)や
アラビア文字を用いていたが、現在はもっぱら
ラテン文字(ローマ字)を用いる。母音は
a,
e,
i,
o,
uの5個。子音は
p,
t,
k,
' (
声門閉鎖音),
b,
d,
g,
m,
n,
ng,
s,
h,
l,
r,
w,
yの16個がある。ただし、(スペイン語、英語に由来する)人名地名などの固有名詞には
c ,
f ,
j ,
q ,
v ,
x ,
z も用いられる。タガログ語のローマ字は「アバカダ」と呼ばれ、
1987年に制定されたものである。「アバカダ」という名前の由来は、英語のABCD(エイ・ビー・シー・ディー)にあたる先頭の4文字がABKD(ア・バ・カ・ダ)であることによる。表記はほぼ発音通りであるが、ngが単独の子音であることに注意してほしい。また、スペイン語、英語に由来する固有名詞は、タガログ語本来のつづり字の発音と異なる場合がある。
アクセントの区別があるが、辞書などを除いて表記されない。たとえばasoは、aにアクセントを置くと「犬」、oにアクセントを置くと「煙」を意味する。また、スペイン語に由来する固有名詞で、スペイン語の原つづりにアクセント記号がつく場合でも省略されることが多い。例:San Jose(←San Jos?), Corazon(←Coraz?n) Aquino。
◇母音
・a
・e
・i
・o
・u
二重母音
:スペイン語からの借用語における二重母音は次のような特徴がある。
・弱母音+強母音はその音節にストレスがある場合は半母音字 "w","y" を挿入する。ストレスのない場合は弱母音字"i","u"を"y","w"に変える。発音もタガログ語のつづりに従う。そのため、ストレスがある場合原語より一音節増える。
・
[外部リンク]-iはスペイン語において語中では"-i"、語末では"-y"とつづるのが原則だが、タガログ語では語中でも"-y"とつづることがある。
◇子音
2字下げは外来語のみに用いられる文字。
・b /b/
・c (+i,e /s/), (+a,o,u /k/)
・d /d/
・f /f/(/p/で代用されることも)
・h /h/
・j /h/(スペイン語由来),/d3/(英語由来)
・k /k/
・l /l/
・m /m/
・n /n/
・p /p/
・s /s/
・t /t/: ts /t?/
・v /b/: 英語由来の語では /v/ とも発音される
・w /w/
・x /s/ または /ks/ または /h/
・y /j/
・z /s/
スペイン語つづりのタガログ化
・ca,co,ku→ka,ko,ku
・j→h *que,qui→ke,ki,
・v→b
・z→s
・?→ny
・ll→ly
・ch→ts
◆文法
◇マーカー
主(格)語や
目的語などの
項は、
マーカー(標識)と呼ばれる語を前に伴って、動詞の後ろに置かれる。マーカーには、
話題を示す
ang(
日本語の「は」に相当)、主(格)語や目的語を表す
ng(「が」「を」などに相当)、場所などを表す
sa(「に」などに相当)がある。マーカーのngはnangと発音する。文には話題を示すangが含まれるのが普通であり、タガログ語は
話題卓越性言語に含められる。
これらのマーカーの形は一般名詞か人名かによって、また数に応じて変化する。また、
代名詞にはマーカーが付かず、マーカーの区別に応じて代名詞自体の形が変化する。変化は以下の通りである。なお、複数を表すmgaはmangaと発音する。